近頃は、どのパソコンを見てもほとんどがWinマシンで代わり映えがなくておもしろく
ありません。
しかしWin95の功績の第1といえば、ネットワークと
いうもんを世間一般ユーザのレベルにまでまんべんなく啓蒙してくれたことに一括で
きますな。
ネットワークのないWin95(98)なんて考えられませんもんね。
というわけでこのページのテーマは「Win95(98)マシンでミニ
イントラネット」です。
といってもどこかの出版社のようにさあ windowsNT だ IIS だなんて詐欺みたいなこと
は一切ありません
セキュリティーホールとか安定性とかを別にすれば、純粋無垢
なWin95(98)だけだってここまでできるというちょっとアブナイけど安上がりと
いうネットワークをめざしましょう。
そこにWin95(98)マシンが2台AとBがいるとしましょう
ここでネットワークがなかったら
データのやりとりはどうしましょうかFDの抜き差しで対応しますか
最近はちょっとしたアプリケーションのデータでもサイズが大きくてFD1枚に入らないことしばしば
ではファイル圧縮?分割?これだけの作業でも大変です 面倒だし
そこでLAN(ネットワーク)の登場となるわけですが・・・この辺りの話は文献にゆずりましょう・・
ネットワークボード(カード)のインストールが済んでイーサケーブル、ハブなんかはちゃんとつながってますって所からやりましょう
ここのテーマは「ミニイントラネット」ですからやはり初めは簡単に技術的なとことを・・
マシン間でネットワークを構築するにはプロトコル(データ送受手続き)が必要ですね
このプロトコルにTCP/IPというやつを利用して組上げたネットワークがインターネット・イントラネットです
単純でしょ
通常何も気にしないでWin95(98)マシン間をネット接続する場合はWin95付属のマイクロソフトネットワークとかファイルとプリンターの共有とかですね
この場合はプロトコルにNetBeuiというのが使われます これらならすぐセットアップできて1時間もあれば複数のマシンで通信できる環境が整います
だから本当はこれがお薦め
でもマシン4〜5台それ以上でネットワークらしくなってきて繋がってるユーザが増えてくると
連絡事項は電子メールを使ってとかスケジュールを共有してとか 良からぬ事を考えるようになってきますね
電子メールみたいな事はピュアWin95ならば コントロールパネル−MicrosoftMailポストオフィスというのがあるのでこれを設定すると単純なメールシステムが運用できます
ところがこのMicrosoftMail(windows messaging)はインターネットのE-mailとは全く別のしろものでWin95付属のExchange以外のクライアントからは見向きもされない
これは本当に電子メールなのか疑わしい とか思ってませんか
将来きちんとドメインIP取ってルータ経由のインターネット直結だ
やっぱりNTサーバーをいれてIISだね
いや余ってるマシンにLinuxいれればもっと安いぞ
などと訳のわからない事を口にし始めたらアブナイ兆候です やめなさい
そんなこんなのミニLANですが
ちょとかっこ良さそなTCP/IPを使いまわしましょう イントラネットのまねごとをはじめましょう
TCP/IPを使ってネットワークとなるとちょっと話が専門的になってきそうですがそんなことはありません
TCP/IPネットワークの基本は構成マシン各々にIPアドレスとよばれる番地をふる作業から始めます
この番地にはインターネット上のマシンの1台1台がそれぞれもっている公式なIPと閉じた空間内で勝手に使えるプライベートIPとがあります
プライベートIPにもネット規模によって3種類ありますがミニ規模ならクラスCと呼ばれるものを利用します
IPアドレスは4バイトの数値で表わしますが
通常はxxx.xxx.xxx.xxxというふうにドットで区切られた3桁10進数の4項で表記されます
クラスCのIPとはこれが 192.168.xxx.yyy の数値で
左から192.168.xxxまでがネットワークアドレス
最右の.yyyがホストアドレス(マシンアドレス)となります
具体的には各々のWin95(98)マシンのコントロールパネル−ネットワークで設定します
使用するアダプタはネットワークボード(イーサボード)ですからこれに対応した新しいプロトコル(TCP/IP)を追加します
この時に手動でIPアドレスをふってやるんですが各々のマシンのネットワーク部を共通にしホスト部を別々にふってやります
たとえば 192.168.2.1 〜 192.168.2.6 のように
またアダプタのプロパティでバンドルするプロトコルをTCP/IPにします
次に
ネットワーク上のIPアドレスとコンピュータの名前を照合(解決)する手段が必要となります
インターネットではドメインネームサーバ(DNS)とかが解決しますが
ここではWin95(98)が基本ですからこれを使うのは反則行為になるんで別の道を行きます
Win95(98)ではNetBeuiという由緒正しい(?)プロトコルを利用してLAN上のコンピュータを勝手にさがしてくれる事になってますので名前についてはあまり心配しなくていいはずなんですが
これがどうも気に入らない方々のために
Winマシンには \windowsディレクトリ下に LMHOSTS というファイルがありまいや・・ありません・・
LMHOSTS.SAM ならあります
これをメモ帳で編集しましょう
ファイルの一番最後に
#-------
192.168.2.1 my1 #
192.168.2.2 you2 #
192.168.2.3 who3 #
#-------
]
などと各々マシンにつけたIPアドレスとマシン名とを空白で区切って1行づつ記述しましたファイルを用意して
これに LMHOSTS という名前をつけて\windowsディレクトリ下に保存します
このファイルと同じものを構成マシンの全てに用意するんです
してからシステムを再起動すれば Win95(98)がこのファイルを参照してネットワーク上のマシンを見つけてくれますね
これでもってミニイントラネットの基本構造ができあがりです
ここでのテーマは「Win95(98)マシンでミニイントラネット」ですからネットワークを構成しているマシンは
全てWin95(98)マシンです
この内から一番負荷の軽そうなマシン
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普段は全く使用していないマシンとか小規模事務所だけど一人1台のマシンがあって
部長のマシンはたまにワープロだけの為に使用してるとか
先日一人リストラされて余ってるマシンがある
とかが最適ですな
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これを一括ホストに決めますね
普通はWeb,FTP,POP,DNS云々と別々のサーバだったりしますがミニイントラネットですからこんなのはぜんぶ一緒にしましょ
このホストマシンにWeb(http)サーバ,FTPサーバ,SMTP-POP(mail)サーバ各々のソフトをインストールして
Webのルートにホームページデータをつっこみ
各ユーザのmailアカウントを設定
FTPを設定
等々・・
あとはスタートアップフォルダに各サーバプログラムのショートカットを入れ込んでやってからホストマシンを再起動
これを24時間運転すればミニイントラネットの完成となる訳ですね
・・・簡単でしょ ??
気にしないで先に進みます
Win95(98)で動作するサーバなんてあったっけ??
大丈夫ありますありますいくらでも ネットワールドにはフリーで日本語で使えるものまであります
以下に実際に使用してみたお薦めを記します
日本語で使えてなんといってもPerlやVBでcgiが利用可能という点で秀作です
jPerl for win32との相性も良いので日本語でのミニイントラ構築には適
名称 Apache Web Server for Win32
所在 http://www.apache.org/
UNIXサーバの世界ではほとんど標準になっているApacheのWin版です
コンソールアプリの形をとっていてドキュメントも全て英語ですからちょっと敷居が高いかもしれません
しかし動作は軽快だしCGI、SSIなんかばっちりですしおすすめです
簡単お手軽ですが独自のセキュリティ機能を実現している点や
仮想ディレクトリ割付をサポート していたりとWin95(98)下ではこれがお薦めですが
残念ながら日本製ではありません
基本的にはWin下のFTPはシステムの安全性に問題がありますから御理解の上ということですね
Win95(98)で動作する日本語mailサーバは残念ながらこれ以外知りませんが
非常に優秀なメールサーバですダイヤルアップで外部メールとのやりとりなんかも安定してやってくれます
本格的なやつなら米国製でかつ有料ですが
Mdaemon (http://www.mdaemon.com/)
これならwin95(98)でも安定して動作しますがここのテーマには合いません
ホストマシンには、各サーバプログラムをインストールして環境設定を行う訳ですが
細かい部分はそれぞれのヘルプやドキュメントを読んでいただくとして
基本的なところを
各サーバには各々別のデータディレクトリを与えます
\+-Web +-webroot
| |
| +-cgi-bin
| |
| +-database
|
+-Mail+-user1
| |
| +-user2
|
+-FTP +-ftp1
|
+-ftp2
とこんな感じですかね
はじめのうちはそれほどデータサイズも食いませんが運用してるうちに膨らんできますから十分
な容量のあるドライブに用意することです
そうそう前段の LMHOSTS ファイルですがホストになるマシンを決めたらもう少し項目の追加が必要です
192.168.2.1 web.mini-intra.my #http
192.168.2.1 ftp.mini-intra.my #ftp
192.168.2.1 mail.mini-intra.my #mail
というふうにそれぞれホストのIPとサーバ運用名を記入します
サーバ運用名には .com とか .co.jp とか .ga.en とかはやめましょう
クローズLANなら問題にはならないとは思いますがやはり反則ですから
インストールできたら
とりあえずはWebルートにindex.htmlファイルを用意します
ホスト以外のマシンでIEとかNNとかを立ち上げて
URLボックスに
http://web.mini-intra.my/index.htmlと入力すると
内容が転送されてちゃんと表示されたり
ftp://ftp.mini-intra.myで
\FTP\のファイルリストが出てきたりすれば
晴れてミニイントラネットがはじまります
ただ本番はこれから
定型文書データベース
連絡用掲示板
業務予定表
等々を実現するにはcgiが必須となるのでやはりPerlは必須でしょう
Perl for win32 http://www.activestate.com/ActivePerl/download.htm
jPerl
http://www.shonan.ne.jp/~kipp/perl/jperl_win32.html
Perlを使ったcgiプログラムに関しては
http://www.ask.or.jp/~rescue/
に解説されてますのでこちらを参照しながらゆっくりやってね
作者のみなさんありがとうございます
またPerlからODBC経由でDataBaseと連携するには
http://www.roth.net/odbc/
あたりを参考にしてください
どうです Win95(98)だけでもイントラ構築が充分可能であることがおわかりいただけましたか
セキュリティーに関しては×が3つくらいですが初期投資が軽いに越したことはないんで小規模LANでは充分ともいえます
ただし、このままイントラ<>インターネット接続のような無謀なことはやめましょう
クラック覚悟なら結構ですがあくまでWin95(98)であることをお忘れなく
これもWin95(98)用プロキシ・ファイアーウォールサーバをセットすれば解決します
1台のWin95(98)マシンで一括ホストをこなすとなるとかなりの負荷がかかりますからホストマシンで通常業務をバリバリこなすのは無理ですね