□ Note で Linux に挑戦

2000/02/10

永らく工事中でしたが やっと note の Linux が安定してきたので結果報告します。
世の中で猫も杓子も Linuxと大騒ぎしているのを見聞きしているとどうにも使ってみたくなるというもだ。
個人用のスタンドアローンでこんなの入れて何するのとも思いましたが、まあものは試しと申します

1999/06/20 TurboLinux3.0を手に入れ(雑誌に付いてた)
同日 PlamoLinux も同様に入手。
書籍情報などを総合判断すると、TurboLinux は、Redhat系なんだそうな。インストールが簡単とか、ではこちらにします。

ターゲットマシンは FMV-Biblo NR9 26X 13.3inchTFT5月に手元にきたもの。
ハードスペックは
CPU Celeron266
RAM 64MB HDD 6.4GB
Video ATI RAGE LT PRO AGP(2X)
Sound ESS Maestro2E
EtherCard MELCO LPC2-T

というような構成。
発売時点ではノートとしてややグラフィック処理の方向に振れてたもの、ちなみに新品入手ではないのよね。内蔵のWinModem は最初から×としても、すでにこの段階の調査でVideo 以下の機器が対象外となっている。

道楽だしダメモトでやってみるか、では、始まりはじまり...
 

□HDD ドライブの再構築

もともと Windows98プリインストールマシンでパーティション2分割P4.0GB+E2.4GB されていたのでこれを再構成しないとならない。ディストリビューションCDというのは良くできているもんで居ながらの再構成ツールが付属している。これを利用してパーティションを P2.5GB+E3.9GBに再構成し直し、 さらにEから 2.0GB分を切り取って Win 用に使うつもりなのでこれをWin でフォーマット、残り約 1.9GB を Linux遊び用に確保することに決める。
 

□TurboLinux3.0 インストール 1999/06/20

オートマチックのはずなので、インストールFDをセットしてマシンスタート。  
画面表示色・キーボードタイプ・ PCMCIA・追加モジュール・ TurboProbe ・パラレル IDE ・インストール元・ネットワーク・ SCSI各々答えて行く。
パーティション設定 ときたので、
HDD 再構築時に分割したE領域を2.0GB(fat32)+130MB(swap)+1.6GB(ext2) とする。
続いて パーティションフォーマット・ネットワーク設定・ここまでやると
やっと「ようこそ」メッセージが出る。  
インストールタイプ・確認  で
CDドライブがビュンビュン回りだし、システムインストールが始まる。
待つこと一頻り後 LILO 設定まで終わると問題の 
X Window 関連設定 が続く  
ビデオカード・キーボード・マウス・ディスプレイ・色数・画面サイズ・周波数・フォントとやるところが
何しろ RAGE LT PRO 、
適当に MACH64系の似たようなビデオをマニュアル選択して 640x480 の VGA 用で進めることにする。  
X Window のテスト
おおっ表示するじゃないの 液晶画面の半分くらい とりあえずはこれでガマン。未対応ビデオだし。後から何とかできるかもしれない。
その後は、  時刻時間・プリンタ等細々した指定をしてインストールは無事完了。

再起動
TurboLinux release 3.0 Kernel 2.0.35 on an i686
localhost login:

幸運にもファーストインストールで成功。 調子に乗って、
startx
画面にザーッと流れて TurboLinux の AfterStep 画面が左上半分位に表示される。
Fn+F5 で全画面表示に切り替えると狭いながらもXWindow、数種のアプリケーションを試しに起こしてみる・・動く動く・・
しかし だめだ 640x480 は狭すぎて使えない。
その後数日、Xの設定をいろいろ弄ってみたものの結局標準のTurbo では このVideo はダメということが確認されただけで終わる。
 

□初インストールから3日間でわかった事 1999/06/24

FMV-Biblo NR9 26X では 1 Turbo Linuxはインストールできる
2 CD HDD(fat) FD等は、マウントしてアクセスできる
3 Video(RAGE LT PRO) は VGA モードでしか使えない
4 Sound(Maestro) はだめ
5 LANCard(MELCO LPC2-T) は /etc/pcmcia/configに以下を追加すれば認識する

card "Melco LPC2-T Ethernet Card"
version "MELCO", "LPC2-T","ETHERNET-CARD-UE-2216", "RO2"
bind "pcnet-cs"
6 OS を切り替えて使うのは
LILO 画面でのキーワード入力や
/etc/lilo.conf の編集(以下)を利用する
default=dos
プロンプトから
#lilo -v
としてデフォルト起動 OS を設定する
 

□VineLinux インストール  1999/07/01

これまた雑誌付録に VineLinuxがついてたのでこれもインストールしてみる。インストール作業は、Turbo 同様わかりやすく30分ほどで作業完了するが、やはりVideo は VGAモードのみでしかまともに動かない。後日への宿題としてそろそろ次の段階に進む。
 

□サーバ設定に挑戦する 1999/07/02

といっても Vine ではほとんど何もしなくとも
1 http(Appache)
2 sendmail-qpopper
3 ftp が普通に動作しているのだ。
/etc/httpd/ 内や
/etc/ftpd/ 内を設定して
user 追加すれば
10Base-T で接続した別マシンから Webブラウジング・メール送受信・ telnet接続が可能となる。なんとあっけない限り、動いてるというだけですがね。
 

□FrameBufferConsole 1999/07/04

欲しかった情報発見 linux カーネル 2.2.x以降のフレームバッファコンソール対応のものならRAGE LT PRO で使えるらしい。http://www.eecs.umich.edu/~steveh/inspiron/ にアクセスしてKernel 2.2.10-ac10 というバイナリなどをダウンロード。もともと DELL Inspironマシンのための情報源らしいのだが、Video とSound は私のものと一緒で、以後有用な情報源として何かに付け参考にする事になる。英語ページなので内容の理解が足りず libc6が必要という風に思えたため(Vine は glibc2)またTurboLinuxにもどすことになってしまう。後日わかった事だがlibc6 要というのは同ページにある X86_Mach64 3.3.1の方だったらしく結局関係無かった。 結局のところFMV-Biblo NR9 26X の1024x768で必要なのは、
1 Kernel の取り替え
2 XF86config の書き換え以下
# XF86Config
Section "Files"
RgbPath "/usr/X11R6/lib/X11/rgb"
FontPath "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/75dpi:unscaled"
FontPath "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/100dpi:unscaled"
FontPath "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/Type1/"
FontPath "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/misc/"
FontPath "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/Speedo/"
FontPath "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/cyrillic/"
FontPath "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/freefont/"
FontPath "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/sharefont/"
FontPath "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/75dpi/"
FontPath "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/100dpi/"
FontPath "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/tt/"
EndSection
Section "ServerFlags"
# NoTrapSignals
# DontZap # DontZoom
EndSection
Section "Keyboard"
Protocol "Standard"
AutoRepeat 500 5
LeftAlt Meta
RightAlt Meta
XkbRules "xfree86"
XkbModel "jp106"
XkbLayout "jp"
EndSection
Section "Pointer"
Protocol "PS/2"
Device "/dev/psaux"
Buttons 3
Emulate3Buttons
Emulate3Timeout 50
EndSection
Section "Monitor"
Identifier "My Monitor"
VendorName "Unknown"
ModelName "Unknown"
HorizSync 31.5-65
VertRefresh 50-100.5
Modeline "640x480" 25.18 640 664 760 800 480 491 493 525
Modeline "800x600" 69.65 800 864 928 1088 600 604 610 640 -hsync -vsync
Modeline "1024x768" 74.00 1024 1084 1220 1324 768 771 777 798 -hsync -vsync
EndSection
Section "Device"
Identifier "ATI RAGE LT Pro"
VendorName "Unknown"
BoardName "Unknown"
VideoRam 4096
# No probed static clocks for this card (good)
EndSection
Section "Screen"
Driver "accel"
Device "ATI RAGE LT Pro"
Monitor "My Monitor"
DefaultColorDepth 32
Subsection "Display"
Depth 8
Modes "1024x768"
ViewPort 0 0
EndSubsection
Subsection "Display"
Depth 16
Modes "1024x768"
ViewPort 0 0
EndSubsection
Subsection "Display"
Depth 24
Modes "1024x768"
ViewPort 0 0
EndSubsection
Subsection "Display"
Depth 32
Modes "1024x768"
ViewPort 0 0
EndSubsection
EndSection
# End of XF86Config

3 LILO 編集以下
image=/boot/vmlinuz-2.2.10
label=linux read-only vga=791

ということになる。
これで晴れて 1024x768TFT 画面での Linux & Xが完成。
この設定で約2ヶ月放っておく。
 

□TurboLinux4.0 & GNOME & KDE 1999/09/10

今度は TurboLinux4.0 FTP版が付いてくる。これは何としてもGNOME とか KDE とかのデスクトップ環境を試さない訳にはいかない。またまたインストール。この時点になると再インストールなど何とも思わなくなり、げに慣れというものは恐ろしい。導入後、元と同じようにフレームバッファコンソール対応カーネルに取り替えすると、
みごとに GNOME 起動成功。 Linux で美しい GUIデスクトップの出来上がりとなった、が数時間のアプリ使用でクラッシュ、その後も頻繁に止まって安定しない。
それではと今度は KDE の方をテストする。が、FTP版ではフォント設定の問題で起動しない(説明をよく読むとフォントが無いからダメと書いてありる)これでは欲求不満になってしまいそうなので、
やや反則承知で Windowsからの流用を画策、コピーライト上問題のなさそうなttc フォントを選びリネームして/usr/X11R6/lib/X11/fonts/tt にコピー
標準設定で必要なフォントは
tcgothb.ttc
tchomil.ttc
tcsiril.ttc
tchagom.ttc
tcg2snu.ttc
の5書体である。
#startx
するとあら KDE 操作って Windowsに似てるし、動作も非常に安定している。
これに日本語入力を可能にするにはもろもろファイルの編集が必要であるとのこと、

/etc/profile の編集
PATH=/user/bin:....$PATH:/usr/local/bin:/opt/kde/bin ..
export XMODIFIER="@im=kinput2(x)"

/etc/ld.so.conf の編集
/opt/kde/lib
#ld config -v
---------- info from http://mland98.rc.kyushu-u.ac.jp/ -----
~/.kde/share/config/kwmrc に追加
[Focus} noFocusClasses=Kinput2
[Decoration] noDecorationClasses=Kinput2

~/.Xresources (.Xdefaults) に追加
Kinput2*OverTheSpotConversion.
UseOverrideShellForMode:True

Xemacs での日本語入力は Ctrl+\ 後
input method : japanese-canna
                    japanese-egg-wnn
など入力しなくてはならないのがわかる。
canna wnn関連ファイルはこの辺を探しまわった後何とかする。
/usr/bin cannacheck wnnkill cannastat wnnstat wnntouch
/usr/sbin cannakill=/usr/bin/catdic
/usr/include/canna
/usr/share/emacs/19.34/lisp/eggrc-wnn
 

□ここまでの結果 1999/09/21

1 WindowManager は KDEが安定していて使いやすい
2 KDE の日本語設定には根気が重要だ
ここに来て気が付いた事
3 Turbo の FTP 版には qpopper が付いていない
あわてて別口から qpopperソース入手してきてコンパイル・インストール
/etc/inetd.rc
/etc/service
/etc/mail/sendmail.cw 等をきちんと編集
POP と SMTP が動作しはじめる。
 

□Kernel 2.2.13 & Maestro 1999/12/25

最新カーネルを入手。Vine の時2度 Vineカーネルコンパイルを経験していたので、Kernel2.2.13 ソースが手元に来ると即準備に入る。
手続きはソースディレクトリにて、
make menuconfig
make dep
make clean
make
make modules
make modules_install
となっている。

menuconfig での .configファイル作成は何度か試行錯誤したが、要はフレームバッファコンソール対応とする事さえ間違えなければマイマシンでの動作は保証される。
コンパイル後のカーネルサイズが大きくなってしまったため、
起動FD 作成には、make zdisk でなく make bzdiskとしないといけないのだ。ってこの辺の情報とるのが大変なのよねあっちこっち回ったりして。
FDでは問題なく起動できたので make bzliloでカーネル作成
Config とvmlinuz を /boot にコピーすれば完了。

しかしここで pcmciaサポートモジュールのソースが無いのに気づく。
別途ダウンロードしてきて コンパイル・インストール
すると今度は MELCO の LANCard の認識が少々変だ。
/etc/pcmcia/config の設定が勝手に
card "Melco LPC2-T Ethernet Card"
manfid 0x01bf, 0x2216
bind "pcnet-cs"
なんてなってるのは、どうしたことだ。起動時に認識できず。

ネットワーク関連の設定を4〜5日やってるといつのまにかLANCard 認識するようになっている。結局何がいけなかったのか原因つかめず、いろいろまとめてやらずに1つづつにすればよかったのだが後の祭り。

最後に懸案の maestroモジュールをダウンロード
これまた コンパイル・インストール
/etc/conf.modules に
alias sound maestro を追加
ちゃんと CD と wav が鳴っている。
 

□結果として現在の状態

ベースディストリビューション  TurboLinux4.0
カーネル              Kernel2.2.13
追加モジュール         pcmcia-cs-3.1.8
                   maestro-19991118
追加                qpopper
入替                perl-5.005.03-5.i386
WM                KDE
である。
KDE デスクトップもすこぶる快調。懸案は印刷環境。MJ-510C - Windowsプリンタを何とか手なずけるというのが課題として残っている。